日 時: 2024年10月26日 (土) 13:30 ~
種 別: 交流イベント
講 師: 木原 明彦 氏
会 場: 薬師寺・唐招提寺
参加費: MTCA会員無料、一般の方1000円【その他】拝観料:薬師寺1000円、唐招提寺1000円。ガイド費用:1グルーブあたり1000円を頭割り。参加費は当日お支払ください。
発信者: 大坂
古代木造建築に詳しい木原明彦氏のガイドにより唐招提寺・薬師寺を建築の視点で観察する会です。 集合場所:近鉄 西ノ京駅 集合時間:13時半(昼食は済ませてご集合ください)
奈良の古建築を訪ねて (当日の模様)
秋たけなわの西ノ京。
南門をくぐると右に東塔、左に西塔、いずれも裳階がついた三重の塔。
薬師寺東塔は創建当時のものでありながら、平成21年から全面解体修理を行っているので、壁は白く、傾きもなく、青空にくっきりと屹立している。
西塔は焼失してからしばらく無いままであったが、昭和50年代に再建されており、連子窓の青が鮮やかだ。
そして中央には、金堂がそびえたっており、内部には薬師如来と月光菩薩、日光菩薩の3体が祀られている。
MTCAの交流会イベントとして、近鉄西ノ京駅に集合し、ボランティアガイドの木原さんに建築物の特徴について解説してもらいながら、
広い境内を歩いた。会員の奥さんも1名参加し、当日の参加者は6名と解説を聞きながら歩くにはちょうどいい人数だった。
今回は古寺の建築について詳しい木原ガイドに案内をお願いしたので、それぞれの建築物について詳しい解説を聴くことができた貴重な機会となった。
薬師寺の北に、唐招提寺がある。
8世紀後半に創建された唐招提寺は、近年解体修理した国宝の金堂をはじめ、講堂、宝蔵、経蔵など、創建当時の建築物がいくつも現存して
おり、宝蔵・経蔵は校倉作りの建築物としては、東大寺の正倉院の建築以前に建てられた日本最古のものとの解説を聞き、
参加者は歴史の長さに思いを新たにした。
唐招提寺を訪れた方は、南大門を入ると広い参道の向こうにどっしりとした大屋根の金堂を目にして感慨深いものを感じるのでは
ないだろうか。観光客で混雑する寺院には見られない静けさと、簡明で力強い8本の円柱が大屋根を支える安定感が見るものを圧倒する。
鑑真和上が中国から日本に渡来するために国禁を冒して5回渡航を試みるが、天候等に阻まれ到達できず鑑真は失明してしまったが、それでも6回目の渡航を試みて日本に到達できたと伝わっている。最初、東大寺で戒律を伝え、その後この唐招提寺を創建して戒壇を設け、正式受戒を与えたとされ、立派な石造りの戒壇が残っている。
この鑑真和上像は開山堂と呼ぶ小さな堂宇で拝観することができる。
日本の寺社は木造建築が多く、欧州の石造りの構築物と比較して、傷みやすいという印象がある。唐招提寺の円柱も近寄ってみると部分的に木材が継がれている柱が多い。木造は石に比べれば傷みやすいが、宮大工などが木材の特徴を活かし、優れた技術で建物を維持することで、千年を超える建築物が日本にはいくつも存在している。
こうした古建築に触れる機会が持てることは、素晴らしい日本の文化の再確認だと思う。
MTCAは、企業経営に関するセミナーやワークショップだけでなく、「日本の文化」や「本物の価値」を見極めるための活動も行っている。
2024年/10月
文 土屋正五郎